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2016年1月5日火曜日

恋愛のための衣装

珍しくも、恋愛のための衣装です。

大体において、モード系の人たちは恋愛のことなど考えていません。
デザイナーも、恋愛というシチュエーションを想像していない人が多いです。
ですから、ファッション誌、特にモード系の雑誌はこのテーマが不得意です。

正直な話、
私もどちらかといえば、このテーマは得意ではありません。
なぜなら、1990年前後の日本のファッションのピークの時代を経験しているからです。
あのころ、私たちがもっとも憧れたブランドは、
その名も「少年のように」でした。

しかし、これが間違っているのです。
恋愛したいのならば、
決して「少年のように」なってはいけないのです。

多くの男性は誰に恋するのか?
それは女性です。
(すみません、今回はLGBTの皆さんについては語りません。
決して認めていないわけではありません)

男性はデートで誰に会いに行くのか?
女性です。

男性が見たいのはどんな人なのか?
女性です。
決して、少年ではありません。

恋愛のための衣装とは、すなわち、
決して男性が着ないような衣装です。
なぜなら、それが男性の希望であり、欲しいものだからです。

さて、日本の特に冬の都会の景色は、
ダークカラーの男女で染まり、
後ろから眺めているだけでは、それが男か女かさえ、わからない状態です。
カジュアル化が進み、
どこへでもジーンズで行けるようになり、
Tシャツ、ジーンズの作業着オリジンのもの、
トレンチコート、Pコート、モッズコート、MA1ジャケットなどの軍服オリジンのアイテムを、
男女問わず着用するようになりました。
つまり、ファッションのジェンダーフリー化が進んだのです。

流行りのモードとしても、
ジェンダーフリーはよく取り上げられます。
男が女の服を着る、女が男の服を着る、
これは新しく、モードであり、ファッショナブルとされます。
しかし、恋愛において、ジェンダー、つまり男女差を無視してはいけないのです。

ジェンダーフリーのモードは、恋愛の敵です。
「少年のように」したいのなら、恋愛など、できません。

では、男性が決して着ない衣装とは何なのか。
それは色、素材、アイテム、シルエットにおいて存在します。

代表的アイテムはスカートとドレス。
このどちらも、今のところ、普通の男性は着ません。

そして色としてはピンク、柄としては花柄。
これも、多くの男性は着用しません。(もちろんたまにはいます)

そして素材では、シフォン、オーガンジー、サテン、レース、
デザインのディテールとしては、フリル、シースルー、リボン、プリーツなど。

これらを何にたとえるかと言えば、
花です。
男性は、お花のような色、質感、シルエットのスタイルに女性性を認めるのです。
それとは反対に、暗く、固く、四角いものに女性性を感じることはできません。
それがどんなにモードだとしても、
真っ黒で、固い素材で、重いシルエットのものは、
男性の手に入れたい、
触れたい、
そばにいたいものではありません。

では、女性の身体の特徴的な部分が露出したり、強調されていればいいのでしょうか。
短絡的にそのように考える人もいますが、
実は、必ずしもそうではありません。
身体を売り物にするのでなければ、
それはかえって逆効果となります。

今、説明しているのは恋愛のための衣装です。
恋愛に必要な大事な女性性の要素の1つは、恥じらいです。
恥じらいの感じられない服装は、恋愛のためのものではありません。

そしてもうひとつ、
これは多くの女性が気づかない点ですが、
恋愛対象の女性というものは、
男性にとって、攻略すべき存在です。
どういうことか。
最初からすべてを見せては意味がないのです。
やるべきことは、すべてを見せつけることではなく、
想像させることです。

「恋なんて謎があるうちよ」と、
昔の歌手が歌っていました。
それは衣装についても同じこと。
身体つき、胸の大きさ、
それらすべて謎でなければいけません。
想像させ、
どうやったら手に入るか計画させ、
ひとつひとつ手に入れさせていく。
その過程がなければ、男性はその恋愛対象の女性のことを本気で好きにはなりません。
簡単にわかってしまう女など、全く面白くはないのです。
それは安すぎるのです。
獲得しても、うれしくもないのです。
犯人を知りながら、ミステリーを読むようなものです。

お花のようであり、
謎が多く、
意味不明なディテールに満ち、
ひもとく楽しみのある衣装。

なぜこんな柔らかく、壊れそうな素材なのか、
なぜこんなにも汚れやすい色なのか、
なぜこんなところに無駄な布が使われているのか、
なぜこんなに着にくいのか、
なぜなかなか脱げないのか、
「絶対に俺には着られない」
そう男性に思わせる、そんな服装こそが、恋愛にふさわしい衣装です。

ですからこれはもはやモードではありません。
また、いつもいつもそんな格好をしているのも難しいでしょう。
それでもそこを狙うのです。
できる範囲でやるのです。

最後に1つ。
だからといって、これらが自分の好きでないものなら意味がありません。
好きでないものを無理に着たら、魅力が半減します。
また、男性の好みにすべてあわせる必要もありません。
男性の好みにすべてあわせるのなら、
あなたはその途端に獲物(ターゲット)ではなくなります。
すべて男性の好みになったのなら、あなたは攻略されたということです。
つまり、そのゲーム(獲物)は終了です。
終わらせてはいけません。

あくまで自分の意志を通して、
難攻不落なごとく、
恋愛の衣装を選びましょう。
永遠に愛されたいのなら、それが必要です。


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