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2013年4月8日月曜日

自分にとって最強の白シャツを探せ

白シャツは、いつの時代も必ずある、洋服の中で基本中の基本のアイテムです。
誰もが必ず着たことのあるアイテムでもあると言えるでしょう。

ここ数年、タイトなシルエットの流行のせいで、白シャツのバリエーションが非常に少ない時期が続きました。
ダーツの入ったタイトなシルエットで、素材は必ずストレッチ。
丈も短めで、袖幅も狭く、誰にでも似合うシルエットではありませんでした。
その間に、白シャツをあきらめてしまった方も多いと思います。

しかし、ここにきて、やっと白シャツのバリエーションが戻ってきました。
つまり、タイトなだけの白シャツではなくなってきたのです。
今までは、シャツが着る人を選んできましたが、
やっと、こちらが選べる状況になりました。
それならば、自分にとって最強の白シャツを探すことができます。

では、何をチェックして、自分にとって最強の白シャツを探せばよいでしょうか。
チェック・ポイントはたくさんあります。

まず、一番はシルエットです。
今の流行が何であるかに関係なく、その人の体型や好みにぴったりのシルエットがあります。
それはダーツのあるタイトなものなのか、ダーツなしのリラックス・フィットなのか、ビッグ・シルエットなのか、それを第一に考えます。
それは、自分が白シャツでどういう雰囲気を作りたいか、どういう気分になりたいかによります。
また、丈の長さも短め、長め、どちらがいいのか決めておきます。

そこで、その人に合っていないシルエットについて、1つ指摘しておきます。
洋服の場合、横じわは、その人の体型に合っていないという証拠です。
シャツを着てみて、バストの上にくるボタンの位置から、脇に向かって横じわが出た場合、
そのシャツは、その人の体型に合っていません。
それは、バスト寸法が足りていないというしるしです。
サイズは、バスト寸法によって決定されています。
やせているか、太っているかではありません。
バストが大きい方は、やせていても、大きいサイズになります。

もし今現在、気に入っているシャツでもブラウスでもあったら、
その身幅の寸法をはかっておいて、大体どれぐらいが好きなのか把握しておくといいでしょう。
身幅をはかる位置は、脇の袖が縫い付けられている、一番身幅が大きくなっているラインです。

次に、襟の形、ポケットの有無など、背中のタックの有無など、デザインの細部について考えます。
襟の形は大き目がいいのか、小さめがいいのか、
角がとがっているタイプか、丸いタイプ か、ボタンダウンか。
ポケットは左右にあるタイプか、片方か、またはなしか。
背中にタックはあったほうがいいのか、ないのか。
また、最近は、裾の脇側にボタンがついていて、カシュクールのように着られるタイプのシャツもあります。
カシュクールとして着たいのか、それはいらないのかも考えます。

次に、色について考えます。
白シャツといっても、色には幅があります。
オフ白と呼ばれる、少し黄色が入った白から、いわゆるお父さんが着るワイシャツのような、青っぽい白まで。
よく、白シャツが似合わないとおっしゃっている方がいますが、それはたぶん、色の問題だと思います。
青い白が似合う場合と、クリーム色に近い白が似合う場合とがあります。
自分はどちらなのか、わからない場合は、色をあててみて、他人に見てもらいながら決めましょう。

そして、最後に素材です。
これは、洋服の知識があまりない人にとって、わかりづらいポイントではないかと思います。
白シャツとひとことで言っても、素材にかなりの幅があります。
コットン、コットンとリネン、コットンとポリエステル、シルク、レーヨン、リヨセルなど、まずは生地を構成する素材による違い、
そして、オックスフォード、綾織り、サテン、ボイルなど、おり方による違いです。
また、仕上がりが、ノー・アイロンのタイプや、逆に洗いをかけたラフなものなどにもわかれます。

いつも書いていることですが、
年齢が上がるほど、いい素材のものを身に付けたほうがよいです。
若い場合は、肌が若いので、どんなに安い素材でも、生き生き見えますが、
そうでなくなった場合、いい素材感が、皮膚のおとろえをカバーしてくれます。

いい素材とは何かというと、独特のつやや、ぬめりを持った素材です。
こればかりは、実際に見てみないことにはわかりません。
よくわからないという方は、買わなくてもよいので、高級シャツを扱うショップで、
そっとシャツにさわってみて、生地の輝き方を目で確かめてみてください。
普通のウールとカシミアとでは全く違うように、高級なコットンは、輝きやしなやかさが違います。
その違いは、必ずしも値段だけでは判断できないので、実物を見て覚えるしかありません。
または、有名な生地会社、たとえばイタリア製の生地仕様などという表記は、ある程度、参考になると思います。

これら全部をチェックするには、白シャツを試着する以外、方法はありません。
まず着てみてシルエット、
襟の大きさ、
袖の長さ、
肩幅、
袖幅、
身ごろの長さ、
第一ボタンをはずしたときの開き具合、
裾のカット、
バストから落ちる布の流れのチェック、
バック・スタイル、
素材の質感など、
すべてチェックする必要があります。

あくまでも、探すのは自分にとっての最強の白シャツです。
他人にとってではありません。
販売員さんの、「とってもお似合いですよ」などという声は、無視していいのです。
聞くべきなのは、自分の心の声だけです。

シャツを着てみて、湧き上がってくる感じが心地いいものなのかどうなのか、
何かひっかかる点はないか、
違和感はないか、
いたたまれない感じにはならないか、
ちょっとでも気になる点があったら、それは、自分にとっての最強ではありません。

自分が最強でいられるための、最強の白シャツを探すこと。
それは、そんなに簡単ではありません。
そして、何が最強なのかは、自分にしかわかりません。
流行も、他人の目も、値段も、ブランドも、すべて関係ありません。

一枚一枚、着てみて、
その都度、自分の心を確認して、
すべて大丈夫と思えるまで、あきらめないで、根気よく探してください。
きっとその白いシャツは、どこかで待っているはずです。
目を閉じて、
自分にとっての最強の白シャツを着ている自分の姿が見えたなら、
それは本当に存在しているということです。