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2010年8月6日金曜日

リサイクル


90年代半ば、私はアパレル業界で働いていました。
当時、日本のファッションはまだ元気で、たくさんの有名なデザイナーがパリコレなどで活躍していました。
あるとき、非常に有名なデザイナーの青山にあるショップに行き、商品をいろいろ見ていました。
すると、裾がハサミで切りっぱなしたようなデザインのロングスカートが売られていました。
私は、どんな仕立てになっているのかと思い、スカートの裾をめくってみました。
裾をめくった瞬間、私は、非常に驚きました。
なんと、切りっぱなしの裾は、実は1度普通のスカートのようにわざわざ裾上げをして、そしてそこを再びハサミで切っていたのです。
切りっぱなしのデザインというのは、裾は2つに折ってあげなければならないという既成概念を壊すためにやってあると思ったのに、そうではなく、わざわざ2つに折って、その2枚の裾の部分を切っていたのでした。
あまりの無駄さ加減に、私はこんなことをしていたら、ファッション業界なんて続かないと、そのとき思いました。
ちょうどそのころ、『BIES』という庭の雑誌で、パタゴニアというブランドがあり、そこは作った製品すべてを回収して、リサイクルしているという記事を読みました。
まだまだエコとかリサイクルという概念は、特にファッション業界では見られなく、膨大な無駄を繰り返しているときだったので、そういう企業があるということに衝撃を受けるとともに、きっと未来の方向性とは、パタゴニアのような企業だろうと確信しました。
そして、現在、パタゴニアはだれもが知るブランドになりました。
もちろん今でもリサイクルしています。

21世紀を生きる私たちがファッションを楽しむためには、こういった視点が必ず必要だと思います。
また、ブランド物のバッグなど、特に必要だとは思わない私ですが、リサイクルという点から考えると、
絶対に質屋さんで買い取ってくれるバッグというのは、大きな価値があります。
皆さんも何かを購入するときは、リサイクルという観点も少し入れてみてください。
そして、これからもっと多くの企業が、リサイクルに力を入れていってほしいなと願っています。