ページ

2017年10月12日木曜日

服を着て夢に近付く方法

服を着て夢が叶うかどうかと聞かれたら、
絶対に叶うとは言い切れないが叶う可能性は1パーセント上昇する、
と答えます。

もし叶えたい夢があるのなら、
自分の現状に満足できないのなら、
今の自分が嫌いならば、
服を通してできることがあります。
それは何かというと、
今の自分に100パーセントお似合いの服を選ばないことです。

今の自分に満足できないのに、
今の自分が好きでないのに、
その自分にお似合いの服を選び続ける、
つまり同じ選択、同じ行動パターンを続けるのならば、
夢は叶いません。
今と同じ選択、同じ行動がもたらすのはよくて現状維持、
悪くすると退化です。

肉体は老化します。
これは人間である以上、すべての人に当てはまります。
もし肉体の老化が嫌で、それを少しでも遅らせたいのならば、
食生活を変えるなり、筋トレをするなりをしなければなりません。
それはどういうことかというと、日常の選択と行動を変えるということです。
そのことによってのみ、老化を遅らせることが可能になります。

同じように、今の自分の現状とは違う状態になりたいのならば、
今までの選択を変え、
何かしらの行動を起こさなければなりません。
ただ脳内で妄想しているだけでは、変化は起きません。
変化は肉体という物理的なものを伴った行動によってのみ、可能となります。

例えば憧れの人がいるとします。
憧れの人とは、今の自分からは離れた存在です。
そのままそこに立っているだけでは、決してたどり着かない存在です。
憧れの人のようになりたいのに、
いつもの場所にただ立っているだけでは、決して憧れの人のようになることはありません。

私たちの夢は、今ここの私たちから離れた場所にあります。
嫌いな自分がいつも夢見るなりたい自分は、
今の自分が立っているその場所にはいません。
今やっていることで満足できないのなら、違うことをやる以外にありません。

今の自分に100パーセントお似合いの服は、
あなたの過去の選択と行動の結果です。
それは過去なので変えられません。
けれども、今の自分の選択と行動は変えられます。

会社に制服があって、
その会社が大嫌いで、もう辞めたくて、
けれどもいつも会社の人から「制服がよくお似合いね」と言われて、
そんなうれしくもないお似合いが心底嫌ならば、
そんな大嫌いな制服が似合わない自分になるという選択が必要です。
つまり今の自分に100パーセントお似合いの服ではない服、
憧れに近い服を選ぶのです。
それはもしかして今の自分に100パーセント似合わないかもしれないけれども、
憧れへ一歩近づくために、
今の100パーセントお似合いから一歩遠のいた選択です。

今の自分が理想の自分ではない場合、
次に買うジャケットは、理想の自分に一歩近づくための、
そして夢を現実化するためのジャケットを選ぶ、
そのことがあなたを夢に近付けます。
なぜなら、あなたは夢の実現のために新しい選択をし、行動したからです。
今の自分に100パーセントお似合いではない服を選ぶという、
ささやかな一歩があなたを夢へと近付けます。
妄想と行動では、天と地ほど違います。
妄想はどこまでいっても妄想です。

服を着て夢を叶えたい人は、
今の夢が叶っていない自分に100パーセントお似合いの服ではなく、
今はちょっとしっくりこなくて、ずれていると感じるかもしれないけれども、
自分が目指す自分にふさわしい服を選びましょう。
そうやって、「お似合い」という甘い飴細工でできた檻から抜け出しましょう。
その選択と行動ができたとき、
あなたの夢が叶う可能性の確率は1パーセント上昇します。

役者は衣装を着たら、その役になりきり、その役を生きることが可能になります。
いつもの自分の服では、これから演ずるその役にはなれません。
それと同じです。
あえて今の自分には似合わない服に挑戦しましょう。
誰かがあなたに、その服は似合わないと言ったとしても、
行動したあなたは自分を誇りに思っていいのです。
行動もせず批判だけし続ける人など、無視しても構いません。

夢の実現をお手伝いするのも服の1つの役割です。
そのためのありとあらゆるバラエティの衣装を、デザイナーたちは用意してくれています。
それを利用しない手はないでしょう。

★『わたし史上最高のおしゃれになる!』発売中。Amazonさんのリンクはこちら
その他、お近くの書店へご注文してくださいませ!

2017年10月10日火曜日

コートの選び方、買い方

ジャケット、スカート、パンツなど、
洋服はさまざまアイテムによって構成されていますが、
その中でも最も高価なものはコートでしょう。
よって、被服費の予算を立てる場合でもコートにかける金額は多くなると思います。

しかし案外、コートのお買いものに失敗する方が多いようです。
では今回は基本に戻り、
どのようにコートを選んだらいいのか、買ったらいいのか考えていきましょう。

①予算を決める。
誰かに買ってもらうというのでなければ、
まず幾ら以内でコートを買うのか決めましょう。
それによって買いに行く場所、時期などが決まってきます。
例えば予算が50万などという場合は、
それこそコートがずらっと並び、サイズがそろい、売り切れもない10月ごろ、
ハイブランドを始めとした好きなショップへ行けばいいでしょう。
しかし、そんな予算はない場合、つまりもっと少ない予算で買う場合は、
買いに行く場所、時期について考える必要が出てきますので、
最初に予算を決めてください。

②用途を決める。
通勤用、ふだん着として、近所へ買い物へ行くとき用、おしゃれしてお出かけするとき用など、
冬の防寒着としてのコートにもさまざまな用途があるでしょう。
近所へ買い物へ行くためのコートと、少しおしゃれしてお出かけする場合では、
通常、同じではありませんので、用途をはっきりさせましょう。

③素材を決める。
コートと一言で言っても、皮革、ウール、ダウンなど、
素材もさまざまです。
これらは予算と用途によって、何を選択するかが決まります。
今回はウールのコートが欲しいのか、それともダウンコートが欲しいのか、
決めましょう。

④スタイルを決める。
ロング丈なのか、ショート丈なのか、
ダッフルコートやPコートなど、軍服がオリジナルなものなのか、
それともデザイン性の高いものが欲しいのか、
フェミニンなものか、マスキュリンなものか、
中にジャケットは着るのか着ないのかなど、
自分が欲しいスタイルを大体のところまで決めておきましょう。

ここまでが事前に決めておくことです。
ここまで決まると、買いに行く場所と買う時期が決まります。
潤沢な予算がなければセールやアウトレットで買うことになりますし、
ダッフルコートやPコートが欲しければ、トラッドを多く扱うショップへ行く、
フェミニンなコートが欲しければ、デパートの婦人服売り場やセレクトショップへ行く、
ダウンコートでスポーティなものが欲しければ、アウトドアウエアやスポーツウエアのショップへ行くなど、おのずと決まります。
中には思いつくまま、気ままにコートを買う方もいらっしゃいます。
それはそれで結構です。
しかし、そうすると数々の失敗の可能性が生まれます。
数々の失敗とは、買ったけれども着ない、長もちしない、自分の持っている服と合わないなどです。
失敗を避けるためには事前の準備が必要です。

さて、では実際にお買い物へ出かけましょう。
では、次に買うときの注意点です。

①すぐに買わない。
コートのように高価なものについては、基本的には何軒かショップを見て、
試着してみてから買いましょう。
もちろん、その日に決めないで1週間後に行ってみたらもうなかったということもあるので、
あまり長いこと決めないでいるのも考えものですが、
少なくともお買い物に行った時間内には、何枚か試着したほうがいいでしょう。
洋服は立体なので、着てみてわかることがたくさんあります。
マネキンが着ていたのを見るだけでは、ましてや雑誌やネットに載っているモデルが着ている写真を見ただけでは、多くのことを知ることはできません。
素材、パターン、そして着る人自身の肉体の三者がそろうと、
そこに初めて意味が生まれます。
その意味は着てみないことには決してわかりません。
写真を見ただけ、さわってみただけ、ましてや誰かがお勧めしていただけで、
コートを買うのはあまりに無謀です。必ず試着してみてください。

③試着してみる。
自分の決めた条件に合うものはとりあえず試着してみましょう。
試着の段階では、見た感じの好き嫌いにあまりこだわらないほうがいいでしょう。
着てみると、意外な美しさのあるコートが数多くあります。
色と雰囲気が嫌いでなかったら、とりあえず着てみることをお勧めします。

④試着の注意ポイントをチェックする。
試着についてはこちらに記述いたしましたので、
自分でチェックしましょう。
販売員の方は、必ずしも合っているかどうかを見ていません。
自分の身体より小さいサイズのものを無理やり着ている方が多くいらっしゃいますが、
そんなことをしても痩せて見えるわけではありませんし、かえって不格好です。
肩が浮いていないか、変なしわが出ていないか、
脇線は垂直におりているか、しっかりチェックしましょう。

⑤何を買うか決定する。
予算内で、しかもサイズもぴったりのものが数点ある場合はその中から決めていきましょう。
ない場合は、その日は出会いがない日なのだと、潔くあきらめましょう。
さて、では数点残ったものからどうやって1点に絞るかです。

・色をチェックする。
どんなに予算内でも、自分のサイズにぴったりで気に入ったとしても、
自分のワードローブの色彩とずれていると、結局コーディネートすることができず、
死蔵のコートになってしまいます。
実際、買ったはいいけれども自分でコーディネートをすることができないコートを持っている方をたくさん見てきました。
ブラウス1枚程度なら、そんなものがあってもさほどダメージはありませんが、
大枚はたいて買ったコートがクローゼットに幽閉状態ではいけません。
今の自分のワードローブに合う色のものを選びましょう。

・シルエットをチェックする。
高いコートを買って長もちさせるためには、シルエットのチェックが重要になります。
予算内で、気に入って、サイズもぴったりで、色も合っている、
けれどもシルエット的にもう時代遅れだとしたら、物理的ではない意味で長もちさせることができません。
ビッグシルエットはもう10年ぐらいは続くと予想されますので、今ビッグシルエットを買う分には問題ありません。
ただし、自分はこういうスタイルというものが既にあって、
流行のシルエットなど関係ないという場合は、時代のシルエットではなく、
自分のいつものスタイルのシルエットと合致するかどうか点検するといいでしょう。

・未来の自分に合うか合わないか想像する。
残念ながら私たちは、今以上に若くなるということはありません。
ですからコートを長もちさせたいのであれば、
年齢を重ねた自分がそれを着ている姿を想像する必要が出てきます。
例えばコートは5年はもたせたいと思うのなら、5年後の姿です。
5年後、あなたはそのコートを着てどこへお出かけしますか?
誰と一緒ですか?
何をしていますか?
そのときに、そのコートはあなたに自信を与えてくれるでしょうか?
それを着ていて恥ずかしくないでしょうか?
そんなことを自分で想像し、チェックしてみましょう。
この作業は長もちさせたいものについてはすべて必要ですが、
今だけでいいものについてはする必要がありません。

さて、以上に挙げたチェックポイント、すべてクリアするのなら、
それは買ってもよいコートです。

けれども、実際にやってみたらおわかりになると思いますが、
なかなかそんなコートは売っていません。
長く付き合いたい相手と同様、
あなたが長時間、持っていたいコートというものもそんなに簡単に出会えないのです。

ベストではなくベターという選択もあります。
どちらをとるかは、そのときの状況によります。
緊急に必要、今何とかしなければならないなら、
それは仕方がありません。

選択の結果が今のあなたのワードローブです。
ブラウス1枚、Tシャツ1枚が、あなたの選択の結果であり、現実です。
あなたはその現実を受け入れなければなりません。
客観的に現実を見て、それを受け入れることによってのみ、
より望ましい、理想の未来、つまり理想のワードローブは手に入ります。
理想を実現したいのなら、
今の現実を見ないふりをしているわけにはいかないのです。

真冬の澄みわたる青空の下、
人々が見るのはあなたのコートです。
そのコートであなたの第一印象は決まってしまうかもしれません。
くれぐれも買うときは慎重に。
後悔したくないのなら、
そのときにできることをすべてやってから、
今の自分にとってのベストを選択していきましょう。

★『わたし史上最高のおしゃれになる!』発売中。Amazonさんのリンクはこちら
その他、お近くの書店へご注文してくださいませ!

2017年9月28日木曜日

2017年10月28日(土)グループファッションレッスン(基礎)(募集終了)

※定員に達しましたので、募集終了いたしました。
次回は11月または12月を予定しております。
 
2017年10月28日(土)に、
藤沢市のギャラリーくじら館におきまして、
グループファッションレッスン(基礎)を開催いたします。

内容は、「わたし史上最高のおしゃれになる!」にあるメソッドについてのものを
グループレッスン用に再編集したものです。
でき上がったマップと、ワードローブ分類表について私がチェック、アドバイスします。

ワードローブ構築がわからない方、
被服費を減らしたい方、
おしゃれに見える方法を知りたい方、
「服はたくさんある、だけれども、着るものがない」方など、
ごく普通の人のための講座内容ですので、
お気軽にご参加くださいませ。


日時:2017年10月28日(土)
場所:神奈川県藤沢市「ギャラリーくじら館」(小田急江ノ島線長後駅より徒歩5分)
時間:11:30~16:30 
定員:7名
対象:どなたでも
参加費用:2万円(当日現金払い) 
主催 小林
注意事項:主要交通機関が止まるような天候等の場合、中止にいたします。
※当日、ご自分のワードローブの分類表を作ります。そのためご自分のもう既に持っていて、これからも着る予定のアイテムを撮影した写真が必要となります。

お申し込みは
fateshowthyforce@gmail.com
まで、
メールのタイトル「10月28日ファッション」
・お名前(本名)
・年齢(20歳代、30歳代、40歳代、50歳代など)
・ファッション誌で買うとしたら何かその雑誌名(ない場合は結構です) 

をご記入の上、お申し込みください。

定員に達しましたら締め切ります。

★ファッションレッスンは今後、中級、上級と予定しています。
中級、上級を受けるためには基礎を受講してからとなります。



2017年9月19日火曜日

21世紀のチープシック

おしゃれである、ファッショナブルであるということのほとんどはお金で解決できます。
お金をかけて、最新流行のものを買いそろえば、
誰でもそれなりにおしゃれに見えます。
それは疑いようのない事実です。
また、多くの人が、金額が高いか、安いかにかかわらず、
お金で新しいものを次々と買いかえていくという方法で、
おしゃれであることを獲得しています。

高いものを買い続ける人の中には、それこそ年間何百万円も使う方もいらっしゃいます。
では、高くはないもの、例えばファストファッションを買う方は、
金額的に少ないのでしょうか。
これは私の観察結果なのですが、
ファストファッションで常に新しいものを買いかえていく方々もまた、
年間を通しては、その収入のうちのかなりの部分を使います。
金額が高かろうが、安かろうが、
新しいものを常にどんどん買いかえていくという方法でおしゃれになろうというやり方は、
相当な金額を要するのです。
安いものを買っているから、そこから逃れられるというわけではありません。

一方、新しいものを次々と買いかえることなく、
他人におしゃれであるという印象を与えることは可能です。
3色ルールと色、またはシンボルのリレーションができるようにワードローブをそろえておく、
季節を先取りする、
はずしのテクニックを取り入れるなど、
工夫と技術を駆使することで、新しいものを次々買いかえておしゃれを獲得していく方法と同等、
またはそれ以上の効果を得られます。

さて、21世紀のチープシックです。
私たちはそろそろこのテーマについて考えなくてはなりません。
なぜなら、私たちはお金で解決するのが難しくなるであろう時代の
すぐ手前までやってきているからです。

これ以降は、これからも新しいものを次々と買いかえお金でおしゃれを解決していく手法を採用する方々には関係のない内容ですので、お読みにならなくて結構です。

チープシックは、いわば貴族のライフスタイルです。
貴族は、土地や家柄はあったとしても、動かせる現金が豊富ではありません。
また、受け継いだのは土地や家柄だけではなく、品格や趣味のよさ、
教養などもまた、彼らの見えない形の財産です。
ですから、動かせる現金がないからといって、決して趣味の悪い、みすぼらしい格好をするわけにはいきません。
趣味よく、上品に、決して成金趣味に陥らず、おしゃれに見える方法、
それがチープシックと言えるでしょう。
では、そのチープシックを実践するためにはどうしたらいいでしょうか。

3色ルールやリレーションを作るなど、そんなことは当たり前です。
いいものを買って長もちさせる。そんなことも常識です。
そのほかにできることは何でしょうか?

自分で作る、
古いものをリメイクして生き返らせる、
新たに刺繍を施す、
家族のあいだで1つのバッグをシェアする、
着ないものを交換する、
親の代から引き継がれたジュエリーを身につけるなどなどの方法が考えられます。
これらは物理的な問題に対する解決方法です。

実はそのほかにも心理的な問題があります。
おしゃれに見えるかどうかは、他人にどのように心理的な影響を与えるかの問題なので、
チープシックを実践するためには、この心理的な問題をおさえておく必要があります。
その心理的な側面への解決方法は何かというと、
「見せびらかし」をやめることです。

貴族や、または本当のお金持ちは、
ぱっと見てすぐどこそこのブランドとわかるロゴやマークの入っているものは、
極力持たないと言われています。
もちろんデザインが気に入って、またはデザイナーをリスペクトして買う、
所有するという場合もあるでしょうから、
絶対に買わない、持たないというわけではありません。
しかしそれを持ったとしても、決して見せびらかすということはしません。
なぜか。
見せびらかしは、そのものの情報としての寿命を短くするからです。
それは人々に記憶され、消費されていきます。

例えばインスタグラムに買った服やバッグを次々とアップする人を観察してみてください。
彼らは以前アップしたものを何度もアップするということはしません。
せいぜい2、3回程度です。
それは彼らが、常にインスタグラムという媒体でそのものの情報を人目にさらすことによって、
その情報の鮮度が落ちる、または飽きをもたらすということ、
つまり、おしゃれに見えなくなるということをよく理解しているからです。

本当の貴族やお金持ちは、そんな見せびらかし競争には決して参加しません。
そんなことをしたら、大事な、長もちさせたいバッグの
おしゃれ寿命が簡単に尽きてしまうと知っているからです。

21世紀のチープシックは、
インターネット以前の時代よりも、
より一層このことに留意しなくてはなりません。

新しいものをどんどん買いかえて、お金を使っておしゃれであることを獲得していく方々は、
今後も見せびらかしを続けるでしょう。
それも1つのおしゃれの方法です。

けれどもそうではない、お金で解決しない方法を選ぶ方々は、
この過度な露出による「見せびらかし」に注意しましょう。
それはあなたというテキストを情報として消費させます。
その結果、あなたはいとも簡単におしゃれに見えなくなってしまいます。

私たちは、他人に残す印象をみずからコントロールできれば、
見せびらかすことなどしなくても、
いつでもおしゃれな存在でいられます。
その能力は訓練によって、後天的に得ることが可能です。
そして、それができるようになったということは、
私たちがそのお金では買えない能力を身に付けたということ。
多くの人がうらやむのは、そのお金では買えない能力です。


2017年9月7日木曜日

『わたし史上最高のおしゃれになる!』はじめに公開




はじめに

 毎日、ご飯を食べるように、私たちは毎日、服を着ます。それこそ、生まれてから死ぬまで、何も衣服をまとわないで過ごす日など、ありません。女でも、男でも、若くても、若くなくても、何かを着ることは社会で生きる人間の宿命です。

 毎日のご飯を自分で用意するように、毎日の衣服について私たちは考えます。ご飯であったならば、少しでもおいしくなるように、必要な栄養が摂れるように、そして心が満たされるようにしようと。同じように衣服についても考えます。暑さ寒さをしのげるように、雨や風から身体を守るように、少しおしゃれに見えるように、1日気分よく、心が満たされて過ごせるようにと。けれども、現実はどうでしょうか。

毎朝、何を着たらいいかわからない。タンスの中は服でいっぱいなのに、何を着てもおしゃれに見えるような気がしない。適当にあるものを着て出かけてはみたものの、何やら気分は優れず、自分以外のおしゃれな人を見るたびに少し落ち込み、明日になったら、また同じことの繰り返し。

どうしたらおしゃれに見えるかわからないから、適当に、そのときの気分で、あるいは今これが流行っているからという理由で、「必要」という言葉で自分を納得させ、もう何十回目の一目ぼれで恋に落ちたことにして、服やバッグや靴を買って家へ連れて帰る。お財布は軽くなるのに、タンスのこやしはふえていき、それでもなぜだかおしゃれには見えない。

そんなことを続けている間に、ワードローブはどんどんふえ続け、ほとんど着ていない、けれども傷んでいないから捨てられないものばかりが半分以上、もしくは7割を超えるようになり、そんな現実は見なかったこと、知らなかったことにしようと、タンスの戸を閉めてはみたものの、妙な罪悪感と、それでもおしゃれに見えない焦燥感で、毎日ゆううつな気分を抱えながら、また適当にそこら辺にあるものを、手っ取り早くかき集め、服を着て家を出る。

全部捨てればいいというアドバイスを聞いて、とりあえず何でも捨ててはみたものの、やっぱり明日何を着ていいかわからないという問題は解決せず、それでも同じような買い物の仕方、つまり報われない一目惚れを繰り返し、もうこんな思いはこりごり、金輪際ごめんだわと、さんざん反省したにもかかわらず、1年後にはまた同じ状態で、使ったお金のことは考えないことにして、家計簿はつけないわと開き直り、新しいファッション雑誌を買ってみて、そして次の年になり、新しい季節がめぐってきて、確かに年は一つ取ったけれども、何も成長していない自分に元通り。

こんな感じの方が多いのではないでしょうか。
 
おいしいご飯を毎日、自分で作りたかったならばどうするでしょうか。おいしいご飯を毎日、自分で何とかしいのならば、料理の本を買って勉強をしたり、料理教室に行って習うでしょう。食材についての知識をふやし、毎日の献立を考え、賢くお買い物し、エンゲル係数に注意して、気分よく、毎日暮らせるようにするでしょう。食べ物は生きることの基本ですから、それができるようになれば、気持ちは安定し、どんなに嫌なことがあっても、不安な状況に陥っても、何とか乗り越えられる自分になれるでしょう。

おしゃれだって同じです。おしゃれになりたいのならば、勉強すればいいのです。 
 しかし、多くの人が今まで一度もおしゃれについて勉強したことなどないと言います。まず第一に、「おしゃれについての勉強」などという概念がありません。おしゃれとはセンスのいい人が適当に何かを身につければなるもの、あるいは、手っ取り早くそのシーズンのものをひと揃え買ってくればすむものと多くの人が考えています。つまりそれは、先天的な才能の問題、もしくはお金があるかないかという経済の問題として片付けられます。

なぜでしょうか。答えは簡単です。おしゃれの基本についてやワードローブの構築方法についての詳しく書いてある教科書など売っていないからです。似合う色や似合うスタイルについて教えてくれる人や、お買い物に付き添って何を買ったらいいか指示してくれる人はたくさんいるけれども、ワードローブをどうやって揃えていったらいいか、何が自分には足りないか、どうやって考えたらいいか、教えてくれる人はいなかったからです。

ファッション雑誌は最新流行と情報は教えてくれるけれども、賢いワードローブ構築の方法を教えてくれるためのものではありません。ファッション雑誌は一種の娯楽のための読みものであって、おしゃれの教科書ではないのです。

 多くの人が一度もおしゃれについて学んだことのないまま、毎日、服を着て、毎シーズン、服を買います。考えてもわからないので、わからないそのままに、生まれてから今まで着るものに悩まされ続けています。お金と時間をかけて、エネルギーを注いで、それでも全く解決しないまま、長年やり過ごしてきました。半ばもうあきらめの境地で、こんなものだと思いながら。

 解決方法は一つしかありません。おしゃれについて勉強することです。お料理の基礎を習ったように、おしゃれの基礎を勉強すればいいのです。何とかしたいと思うのならば、このままでは嫌だと願うのならば、勉強して、今の状態を脱しましょう。

私たちは何も毎日、三ツ星レストランで出されるような高級な料理を食べたいわけではありません。毎日、簡単に作ることができ、ささやかな、けれども栄養満点の、そして安心で満足できる、そんなご飯を食べたいのです。

衣服についても同じです。私たちは何も毎日、パリ・コレクションのランウェイで発表されるような最新のモードの服で、家の玄関から世界という舞台に颯爽と登場したいわけではありません。ハリウッド・セレブのように、ハイブランドの服に身を包み、大きなサングラスをかけて、10センチのピンヒールをはいて、写真に撮られるための衣装で、毎日過ごしたいわけではありませんし、そんな必要はありません。

 私たちの望みは、着る服が少しでもおしゃれに見えるようになること、そしてたくさんのお金を使うことなく、毎日、短時間でコーディネートできて、無駄のない、シンプルなワードローブを持つことではないでしょうか。毎朝、悩まずにすむような、ほんのちょっと工夫しただけでおしゃれに見えるような、そんなワードローブが欲しいのではないでしょうか。

 「すべてこの世は舞台。私たちは単なる役者にすぎない」と、シェイクスピアは『お気に召すまま』の中で役者に語らせています。確かに私たちは単なる役者にすぎません。けれども、この世は舞台であり、私たちはその舞台の主人公です。主人公とは、自分で自分に対して自分がどうしたいのか問いかけ、自分で決定し、目的に向かって行動する存在です。つまり私たちは自分という人生のドラマの主人公を演じる役者であるだけではなく、自分の人生の脚本家であり演出家、そして衣装デザイナーでもあるのです。

 残念ながら、太陽という照明をコントロールことはできませんから、照明デザイナーにはなれません。また、雨の音や風の音、カフェで聞こえてくる音楽を自分で決定することはできませんから、音響も自分で決められません。けれども、衣装は自分で決めることができます。毎朝、主人公である自分のために、衣装を用意することができます。要するに、私たちには、自分の人生という舞台の衣装を自分で決める自由と権利があるのです。

 確かに観客である他人はとやかく言うでしょう。あなたにはそれが似合う、あなたにはそれが似合わない、それは今の流行だ、流行遅れだ、などなど。けれども、実際の舞台がそうであるように、観客の意見は百人いたら、百人違います。全員同じなどということはあり得ません。それなのに、もし私たちが観客一人一人の意見を取り入れようとしたなら、演出家の意図はどこかに消え、舞台はめちゃくちゃになってしまうことでしょう。

 主人公の自由と権利より、他人の意見を常に重視したら、自分の人生もまためちゃくちゃになります。いつでも誰かの意見に従う人生は、もはやその人のものではありません。

他人の意見がすべて同じにはなり得ないのですから、観客全員からよい評価をもらおうと努力をしてみたところで、観客全員が同じように、その衣装がよかったと思うことなど決してありません。すべての人の意見を取り入れることなど、しょせん不可能なのです。みんなによく思われたいなどということは、むしろ傲慢です。

 私たちは主人公を演じる役者であると同時に、自分の人生の舞台の演出家です。演出家は客席の一番後ろに座り、観客よりも、より客観的な視点ですべてを把握しなければなりません。私たちがやるべきなのは、他人の意見に振り回されることではなく、観客よりも、より客観的な視点を常に持ち続けることです。

 いつも誰かの意見に振り回される脇役人生はもう卒業しましょう。自分の人生の脚本を自分で書き、自分で主人公になり、衣装を決めて、自分の才能を100パーセント発揮し、能動的に行動する主人公を演じる自分になりましょう。それこそがあなたの生きる使命です。それだけが人生で最も大切なことです。それ以外にはありません。

 おしゃれは人生で最も大切なことではありません。私たちの時間も、お金も、エネルギーも、人生でもっと重要なことに使うべきです。おしゃれなどというものは、主人公の人生がうまくゆくためにあるものであって、それ自体が人生の目的ではないのです。毎日の服のコーディネートに悩んだり、大量に買ってしまった服を前に途方に暮れている時間はあまりにもったいない。そんな楽屋仕事に時間とお金を使っている場合ではありません。人生にはもっとほかにやることがたくさんあります。情熱をかけるべき対象が、すべての人にあるはずです。

 自分の人生の主人公の座を取り返すためにも、効率的なワードローブの構築方法について学びましょう。批判的な観客の意見に右往左往しているだけの、凡庸で、ありふれた、誰も覚えていないような、魅力のない主人公が登場する物語は、ここで終わりにしてしまいましょう。そうして、毎日、衣装のことで煩わされなくなったら、堂々と自分の人生という舞台の中央に立ちましょう。

 どんな主人公にも、太陽の光という照明は平等に降り注ぎます。立ったその場所が、あなたという人生の舞台の中心です。街ですれ違う人、仕事場で隣に座る人、それだけではなく、テレビや雑誌で取り上げられるお金持ちで有名な人でさえ、すべてあなたにとっては脇役や端役です。脇役や端役のことなど、気にすることはありません。

主人公には達成すべき人生の目的があります。その目的は人それぞれです。何かを成し遂げるのが目的の人もいれば、まわりの人とともに幸せでいることが目的である人もいるでしょう。人生の目的を他人と比べることはできません。人生の目的が違ってくれば、当然のことながら、必要な衣装も違います。

同様に、自分がどれだけおしゃれかを他人と比べる必要はありません。ファッション競争は、しょせんお金のある人の勝ちです。シーズンの最初にハイブランドの最新スタイルを靴やバッグも含めて上から下まで揃えれば、それだけでおしゃれに見えます。それは疑いようのない事実です。ですからこのファッション競争に参加したのならば、勝つのは世界のお金持ちだけ。けれども、そんなファッション競争に参加して勝つことなど、多くの人にとって重要ではないはずです。

重要なのは、自分が自分の人生の主人公になること、そしてそのために日々、成長することではないでしょうか。

私たちが目指すべきなのはいつも、「わたし史上最高のおしゃれになる」こと。そして、その史上最高を更新し続けること。おしゃれをしたことにより、何かがうまくいったり、幸せを感じられたりすることのほうが、お金をかけてファッション競争に参加するよりもよほど大事なはず。脇役や端役のおしゃれなど、どうでもいいこと。自分の人生の中で今どれだけ進化したか、どれだけ努力しておしゃれができるようになったか、そしてその結果、どれだけ人生の目的に近付けたか、私たちが考えなくてはならないのは、そして死ぬ間際に思い出すのは、きっとそのことです。

そんな人生の主人公である私たちに必要なのは、自分の人生の目的を達成するための、主人公のためのワードローブです。人生の目的達成のためにすべてのエネルギーを注げるような、そんなワードローブを構築するために、今から学びましょう。今からでも遅くはありません。必要なのは、ただ決意することです。他人の意見を聞いて右往左往する脇役人生をやめ、これからは主人公として生きていくのだと決意すること、ただそれだけです。

さてこれからご紹介するメソッドは私が自分のために考案し、自分自身で長年実践してきた方法です。中学から大学まで演劇部だった私は、脚本を読み、キャラクターを分析してから衣装について考えるということを続けてきました。このやり方は、別にお芝居の中だけではなく、私たちの日常生活のワードローブ構築にも通用します。
また、2010年以降から現在まで、私はこの自分で考えたメソッドのレッスン、ワークショップなどを開催し、今までに多くの方にこの方法を伝え、実践してもらってきました。このメソッドは誰にでもできると実証済みです。

お金がなくても、絶望の中にいても、病気であっても、パリに住んでいなくても、若くなくても、きれいでなくても、ヘテロセクシャルでなくても、どんな人もこの方法を実践すれば、おしゃれなワードローブを構築することができます。
では、これからおしゃれな主人公になる方法を学んでいきましょう。

詳しくは『わたし史上最高のおしゃれになる!』をご参照くださいませ。アマゾンさんはこちら
または全国各書店でどうぞ!



2017年8月30日水曜日

赤を着よう

(Diorのレッドドレス)

色にも流行があります。
まず国際的な機関であるインターカラ―が発信する色を取りきめ、
プロモスティルなどの情報発信会社がトレンドブックを発売、
それらの情報を収集して、ファブリックメーカーが生地を作ります。
そのため同時期の生地の展示会に同じ色の生地が並び、
これら生地を使って各種メゾンが服という形にするため、
その年に多く使われる色というものが出現するという仕組みです。
ファッションの歴史を振り返ってみればわかるように、
60年代には60年代の、70年代には70年代の色調があります。
同じ赤といっても、60年代のような赤と、70年代の赤とではまた違っています。
ですから、「赤」と大きくひとくくりしても、今買う赤は、やはり70年代の赤とは違うのです。

赤い服はいつの時代でも作られています。
紺、白、赤というトリコロールの並びや、
トラッドの茶に合わせる赤いツインセットなど、
商品のラインアップから完全に赤が消えたシーズンというものは過去にないでしょう。
けれども、赤い服を多くの人が着ていたという印象はあまりないと思います。
なぜなら、赤い服はいつも作られてはいるけれども、売れ残るからです。
なぜ赤はいつも売れ残るのでしょうか。

多くの人が「使える色」や「人気の色」を探しています。
「使える色」とはどういう場面で何のために使うのかはっきりしませんが、
汎用性が高いというぐらいの意味でしょう。
また、人気の色とは、多くの人が選ぶ色ということでしょう。
目的は不明ではあるが汎用性が高く、多くの人が望む色こそが、
多くの人が探している色です。
赤が売れ残るということは、つまり赤は汎用性が高くなく、
何より人気がないからでしょう。

汎用性が高く、多くの人が持つということは、
いつでもどこでもそれは散見できる、つまりありふれているということです。
どんな場面でも、多くの人が着たり、持ったりするのですから、それは街にあふれます。
多くの人は、ありふれていることを望んでいます。

ありふれているものを望む人たちは、
目立つことを嫌がります。
確かに赤は目立つ色です。
男性の中のただ一人の女性を紅一点と言うように、赤はひときわ目立つのです。

汎用性が高く、人気がある色とは、
決してその人が好きな色ということではありません。
また、自分もしくは誰かがその人に似合うと思っている、その色でもありません。

ありふれていて、好きでも似合うというわけでもないその色を選ぶ人たちは、
目立たなく、多くの人と同じことを望みます。
逸脱しないように、街に溶け込むように。

しかし同時にこの人たちは、
選ばれることを熱望するのです。
多くの少女マンガに見られるあのパターン。
いつでもひょんなことが起こり、
カッコいい男子に見染められ、
自分の意思に反して物語が進行する、あの使い古されたパターンのように、
誰かから選ばれて、運命が開けていくことを切望するのです。
けれども、多くの、このありふれた色を望む人たちには、
そんなことは現実に起きなかったでしょう。

自分が好きでも似合うわけでもない、ありふれた色を選び続けた
その人たちの衣装というテキストは、その人が代替可能な人物であると、多くの人に知らせたのです。
ひょんなことなんて起こりません。
カッコいい男子も王子様もやってきません。
運命の扉が自動ドアのように勝手には開くこともありません。

さて、ではそうではない者、
自分が何が好きかわかっていて、
他人の嗜好を知るための人気ランキングなど完全無視し、
自分の意思で選択し、その責任を取る、そんな人が赤が好きなら、
迷わず赤い服を着ましょう。
赤は情熱の色、行動の色です。
ハートはいつも赤い色で表現されます。
赤はLOVEの象徴です。

自分であることを包み隠さず、凛とした姿で自分の人生を歩いていく、
そんなあなたに赤はうってつけです。
そういう人の中に人々は美を見出し、引きつけられます。
運命の女神フォルトゥーナはほほ笑み、
あなたは選ばれます。
多くの中から選ばれるその理由は、まさにあなたが代替不能だからです。
赤が好きな人は赤を着ましょう。
赤いドレスでも、赤いコートでも、赤いセーターでも、赤いブーツでも、赤いバッグでも、何でも構いません。
赤を選びましょう。
そして、その勇気を持って、自分の未来を自分で切り開いていきましょう。


2017年8月17日木曜日

買っても買っても満足できないあなたへ

いつでもあなたは探していました。
どこへでも連れていってくれる靴を。
誰もが認めるバッグを。
幸せになるドレスを。

あなたはその人の言葉を信じていました。
その靴はどこへでも連れていってくれると。
そのバッグを持てば、誰からも認められると。
そのドレスさえ着れば、幸せになれると。

そうしてあなたは買いました。
その靴を履いてどこへでも好きなところへ行けるだろうと。
そのバッグを持てば、誰からも称賛されるだろうと。
そのドレスを着れば、幸せになるだろうと。

そう信じているにもかかわらず、
あなたはまた落ち込むのです。
昼間あんなに輝いて見えた靴も、
夜、自分の部屋へ戻って、蛍光灯の下で見たときは、
もう既に魔法が解けて、何の変哲もない普通の靴になっています。

きっとこれは何かの間違いだと、
どこかで自分が勘違いしたのだと、
あなたは自分を責めます。
なぜなら、あの人の言うことは正しいのだから、
間違うはずは、ないのだから。

けれども、余りにもそんなことが続くと、
次は、信じるその人をかえてみます。
付き合った恋人が悪かったため、自分が不幸せになった、
あのときと同じように、
信じる相手をかえれば、何もかもうまくいくと考えます。
こんどこそきっとうまくいくと。
次は絶対に失敗しないと。

しかし、何枚買っても、何足買っても、一向に欲しいものは得られません。
気分の上昇は、同じだけの落ち込みをもたらします。
何度もそれを繰り返すうちに、もはやそこには何の喜びも感じられません。
ひどい落ち込みと罪悪感と、頭の中の止まらない自分を責める声。

そのうちに思い出すのです。
小さいころ、あなたがお気に入りのドレスを着て踊っていたとき、
お母さんがあなたに向けた冷たい視線を。
または、「お姉ちゃんはかわいいのに、あなたはかわいくないね」と言った、
あの言葉を。
そしてそれを聞いたお父さんは、何も言ってくれなかったことを。
お父さんが、かわいいねと、言ってくれなかったあのときのことを。

もう自分ではわかりません。
何を着たら、お父さんがかわいいと言ってくれるか、全くわかりません。
そして、ずっとわからないまま、あなたは大人になりました。

だからそれを教えてくれるあの人を信じたのです。
あの人がお勧めする、そのドレスさえ着れば、幸せになれると信じたのです。
けれども、その試みは失敗しました。
得られたのは見たくもない請求書とレシート。
そして、終わらない悪夢。

買ったたくさんの靴とバッグとドレスを見ても、
あなたは何も感じません。
どうしていいかもわかりません。
そしてあなたは途方に暮れました。
まるで、氷の道の上に立っているようです。
どこまでも続く、暗く、冷たく、かたい道を歩くような毎日。

あなたが本当に欲しかったのは靴でも、バッグでも、ドレスでもありませんでした。
あなたが本当に欲しかったのは、
お父さんに「かわいいね」って言われることでした。
あなたがどんな靴を履いていても、どんなバッグを持っていても、どんなドレスを着ていても、
それでもかわいいねと言ってくれる、お父さんの言葉でした。

あなたの本当のお父さんはそう言ってくれなかったので、
あなたは、そのドレスさえ着れば、誰かがそう言ってくれると信じたのです。
だけれども、そんな人はそう簡単にあらわれないのでした。
買っても買っても、そんな人はあらわれませんでした。
そうしてあなたは今日も、その渇望感で死にそうです。
どうしたらいいのでしょうか?
何かいい方法は、あるのでしょうか?

誰も言ってくれないのならば、あなたがあなたに言えばいいのです。
大人のあなたが小さなあなたに、
どんな靴を履いていても、どんなバッグを持っていても、どんなドレスを着ていても、
あなたはいつでもかわいいと、言ってあげればいい。
かけっこが遅くても、成績が悪くても、
あなたはいつでもかわいいと言ってあげればいい。
泣いていても、笑っていても、怒っていても、いつでもかわいいって、
自分で自分に言ってあげればいいのです。

そんなにたくさん買わなくていいのです。
どんな靴でも、どんなバッグでも、どんなドレスでもいいのです。
だってあなたはかわいいから。
誰も認めてくれなくったって(本当はそんなことありませんが)、
あなたは十分にかわいいから。
それは誰とも比べられないから。
そして、それは永遠に続くから。
疑いようもなく、それは真実だから。

※男子はドレスを「シャツ」に、かわいいを「かっこいい」にかえて読んでみてね!